2011/11/05 (Sat) 『非戦』の定理

ちょっと遅れましたがユリンの８月イベSS!!
追記から!!

……明らかに道楽のようなダンスパーティとやらから一転、さっき通ってきた氷窟の中に転送されてきた。
周囲にいた人がいない。
どうやら、それぞれランダムに転送されているようだった。

「……ユ…ユリン……」

そうだ、ホールに来るまではすごい重装備だったけど、今のハルはほぼ普通の格好だ。
たぶん防寒対策はそれなりにしているんだろうけど、あの恰好には劣るだろう。

「ハル！ごめんちょっと待っててね!!」

急いで体の組成をいじり、体温を上げてハルの懐に潜り込んだ。
ようやく体温が戻ってきたハルと一緒に、氷窟の中を進む。
歩きながら、ハルは配布された氷晶を手の上で転がす。

「最低２回、か…」

奪うこと、戦うこと。
ハルが一番嫌うこと。
できるなら、ボクだってやりたくない。

「…ハル」

「今回ばかりは誰かと当たることになるな…」

寒いだけじゃなく、相手と争うことに抵抗のあるハルは、少し辛そうだった。
それはそうだろう。
自分の手は人を癒すためにあるという人が…その手で人からものを奪わなきゃいけない。

そんなハルを見ていて、ふと、思いだした。

そう言えば、ホールに行くまでの間、この周りの風景が綺麗で飛んで行きそうになったところを、ハルに止められたっけ。

……………

「ユリン、そんなに離れちゃだめだ」

「えっ？」

「最初に言ったろ？100ｍ以上離れたらその時点でゲームオーバーなんだって」

……………

「………そっか」

納得して頷くボクを、ハルは不思議そうに見ていた。

「ユリン、どうしたの？」

「召喚士と召喚獣って、100ｍ離れたらゲームオーバーなんだよね？」

「そうだよ………あ」

……作戦は、決まった。
ギリギリまで相手の召喚士と召喚獣を引き離し、一気に100ｍ圏外まで吹っ飛ばす。
そうすれば、戦闘は極力避けてこの氷窟から出られる。
というかまず、ハルが極端に寒さに弱いことを考えれば、どちらにせよ戦闘は最低限に抑えたい。





――カラン

透明感のある音が響く。
それを凍える手で拾い上げ、間違いのないように数を数えるハル。

「……よし、これで５個…ロックが解除できる、行こう…ユリン」

そう言ったハルの懐に潜り込み、ハルがこの氷窟の扉を開けるのを、じっと見ていた。





……………

よし打てたユリン氷窟編！
全面的にハルジオンさんお借りです!!
100mルール適用すればガチバしなくても氷晶集まるよなってなったため、紅茶主従はこんな感じで勝ち抜きました///
ガチバしなくていいのはここまでだな…!!!