2011/11/07 (Mon) 偽善と絶望(前篇)

ユリン10月SSー。
追記から!!

…少なくとも４分の１程度には参加者が減っているだろうか。
前回のゲームで一対一をやっているわけだから、半分以下には確実になっているだろう。

そんな中、届いたゲームへの招待。
…鏡面世界、か…。

「反転コピーか…どんな戦いになるんだろうな」

案内を見て、ハルがため息をつく。
あまり戦闘に積極的ではないハルの反転と言うと、ものすごい攻撃的な相手が出てきてもおかしくない。
…反転コピーされたボクはどんなものなのか、正直、想像がつかないけど。

「行こうか、ユリン…ただし」

「無茶はしない、だよね？」

先月言われたことは、ちゃんと覚えてる。
何も考えずに突っ込んで、心配かけるのはもう、嫌だ。

……『四の暁天』。
本当にここは地下なんだろうか。
明るくて、何かまだ地上にいるみたい。
今まで通ってきた階層も全部通り抜けて、今までで一番深いところまで来たって言うのに。

「で、その対戦相手ってのはどこにいるんだろうね？」

ハルの周りを飛びながら、周囲の様子を伺っていると。

ひゅんっ

「ユリンッ!!」

唐突に飛んできたのは空気の刃。
ハルが声をかけてこなかったら、腕の一本くらい持っていかれてたかもしれない。

「……なんだ、外れたんだ」

そう言って、何の感情もない目をこちらに向けていたのは。



「………ボク…なの…？」





『ボク』と、その少し後方で穏やかに金色の髪を揺らしつつ笑う、『ハル』だった。




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