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追記から!!
空を、仰ぐ。
……つい先日まで、自分が駆け巡っていた空を。
青い。
抜けるように青いとは、こういう空のことを言うんだろう。
戦争中にあんなに近かった空は、地上から見ればこんなにも遠くて。
…もちろん、戦争なんてない方がいいのだから、これで正解なのだが。
戦争の終結と同時に、俺は身の振り方を考え始めた。
戦争が終わったら、もとより軍籍は抜こうと考えていた。
…俺がずっと考えていたのは。
「朔」
「どうしたんですか、黒藍さん?改まって…」
「お前は…これからどうするんだ?」
ずっと気になっていたことを、朔に尋ねた。
終戦したとはいえ、医務官という立場では仕事も山積みだろうし、戦闘要員でないのならなおさらこれからの軍には朔が必要だろう。
…が。
「…私、この艦を降りようと思うんです」
「本気か?」
意外だった。
朔は、ずっとこの艦で医務官としての仕事に専念するものだとばかり思っていたから。
少しばかり驚いた様子の俺に、朔が言葉を重ねる。
「…でも、私はやっぱり沢山の人を助けたい…だから、民間の病院で働けるところを探そうかな、と思っていて…」
「………それでこそ」
「?」
「それでこそ、俺の好きな朔だな」
そう言って、笑う。
俺は…人のためになろうと頑張る朔のその姿が好きだ。
だから、民間に行ってもなお人の役に立とうとする姿勢を見て、安心した。
そんな朔に。
「だから…これからも、そばにいてくれないか?」
すっとその左手をとり、薬指に指輪をはめてやる。
その指を見せれば、驚いたような表情を浮かべる朔。
「こ、黒藍さん…これ…」
「あまり回りくどいことは言えないから、一度だけで勘弁してくれ…朔、俺と…添い遂げてくれ」
そう、今度ははっきりと。
すると、朔はそのまま俺に体を預けてきた。
「私でよければ…喜んで、お受けします」
「ありがとう…ずっと幸せにする、誓うよ」
預けられた体をぎゅっと抱きしめれば、少し震えていて。
「…朔、一度、俺と一緒に飛んでみるか?」
「い、いいん、ですか…?」
朔の手を取ると、そのまま自分の愛機へ引っ張っていき、乗せた。
…きっと、こいつで飛ぶのも最後になる。
ずっと、一般兵だったころから世話になってきた、俺の相棒。
「(もう一度だけ、一緒に飛んでくれ、相棒)」
そう心の中で呟いて、空へ舞い上がる。
しっかりつかまってろ、と言うと、瑞羽の上空へ。
「…見えるか?あれが…俺たちが初めて出会った場所…」
「はい…よく、見えます…あのときは、まさか」
「?」
「まさかこんな風に、一緒にいられるなんて、思っていなくて」
同感だ、と苦笑する。
それでも、医務室から始まったこの関係を、わずらわしいと思ったことなど一度もない。
そして。
「…これからも」
真っ青な空、鳥が一羽、機体を掠めるように、更なる上空へと飛んで行った。
……………
打てた!鴉のED!!!
鴉はもともと戦争終了後退役を考えていたので、そのまま艦を降ります。
直前くらいで朔凪さんにプロポーズして結婚します。
その後はお互いに民間で務めているので、いつか街中でもお会いできたらなあとは///
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